打線も2回から7回まで毎回安打を記録し、再三得点圏に走者を進めたが、涌井の前に“あと1本”が出なかった。13日のオリックス戦(千葉)の2回に福浦が打って以来、32イニング、適時打が出ていない。今月4度目の零封負けに、西村監督も「チャンスはつくっているけど。最初に1本出ていればね」と嘆いた。
きのうはこの試合(ロッテ×西武)の実況をBS12トゥエルビにて。
解説はジョニー黒木さん。
ランナーがたまってもあと一打がでないというのは、最近に始まったことでなく、6月辺りからよく見かける話で、現象面から見れば確かに32イニング出ていないけれど、きのうは涌井投手のほうが一枚上手だったのではないでしょうか。
もちろん放送でもしきりに言っていたように、序盤の涌井投手はまだ本来の姿ではありませんでした。
特に直球のシュート回転は顕著で、あそこで1点でも取れていたら、きのうの渡辺俊介投手ならば、勝利の確率がぐっと高まっていたでしょう。
ただ解説の黒木さんも言われたように、涌井投手は修正をしてきました。
実況アナレベルでは、シュート回転がなくなってきた、テンポが良くなってきたというのは放送で言えても、「なぜ」良くなったのかまでは分析できません。
そこでしっかりと答えを出してくれるのが黒木さんです。実際、すべての解説がそれをできるわけではありませんというのは付け加えておきます。
きのうの涌井投手に関しては、スライダー系統のボール、つまりシュート回転と逆のボールを多くすることで修正していったと黒木さんは分析していました。
中盤のキム・テギュン選手の時に投げた直球がきれいにアウトコースに決まりましたが、その辺で修正完了と黒木さんは見ていました。
少し西武の話が多くなりましたが、きのうの神戸選手の起用はストーリー的には面白かったです。
今年4月の涌井投手との対決で代打3ランを放ち、試合の状況からしてもやや節度を越した喜び方で話題を振りまいていた神戸選手。あのときは場内乱闘になりそうなムードも一瞬漂いました。
本来DHに入るであろう福浦選手は涌井投手を決して苦手としていません(むしろ打っている)。ケガという話も特になさそうでした。
なのに、一軍に戻ってきたばかりでまだ目立ったものを残していない神戸選手の起用は、4月の対決のことしか理由が浮かびません(もちろん練習でよかったとかいうのはあるでしょうが)
第一打席からかなり鼻息荒く打席に立った神戸選手は見事痛烈なレフト線のヒットを見せ、期待にこたえました。しかし結局はそれ1本。
悪くはない起用だとは思いましたが、福浦選手をそのまま普通に使ったほうが、涌井投手は嫌だったかもしれませんね。